【7月12日 AFP】スリランカ当局は11日、高速道路の建設現場に生えていた、世界に1本しか現存しないとされるマメ科の木「スリランカレグメ」を撤去した。

 スリランカレグメは1868年に初めて確認されたが、1911年を最後に見られなくなり、2012年に絶滅が宣言された。しかし、19年に主要都市コロンボ(Colombo)の北で、高さ8メートルのスリランカレグメが1本だけ生えているのが見つかった。

 木は、高速道路の建設のため切り倒されることが決まっていたが、21年に伐採を阻止しようと僧侶らが「出家」させていた。

 バンドゥラ・グナワルダナ(Bandula Gunawardana)運輸・高速道路相はコロンボで記者団に対し、政府が木の撤去を承認したと語った。

 調査の結果、他に40本のスリランカレグメが生えていることが分かったと説明したが、その場所については詳細を明らかにしなかった。

 同氏は「これが唯一のスリランカレグメだとする神話を広めて高速道路の建設を阻止するのは犯罪だ」と主張。この木を迂回して建設すれば、さらに150億スリランカ・ルピー(約67億円)の費用が掛かると述べた。

 地元住民によると、作業員が重機を使って引き抜き、どこかへ運んで行った。

 住民の一人は、地元テレビ局スワルナバヒニ(Swarnavahini)に対し「数人の作業員が枝を幾つか切り落とした後、木ごと引き抜いていった」「私たちが阻止する間もなく撤去されてしまった」と語った。(c)AFP