【7月11日 AFP】フェイスブック(Facebook)を運営する米メタ(Meta)は11日、オーストラリア上院で開催された外国からの干渉に関する公聴会で、中国の偽アカウント網による外国を混乱させるための戦術が「進化」していると証言した。

 メタは、この7か月間で「戦術の変化」が目立つとしている。

 同社広報のジョシュ・メイチン(Josh Machin)氏は、中国のフェイスブックアカウント網がジャーナリストや慈善団体、PR企業を標的にして世論に影響を与える動きを強めていると指摘。「これまでとは全く異なる戦術の進化を目の当たりにしている」と述べた。

 メタは最近、欧州で組織的に偽情報を広めていた中国系のアカウントを多数削除している。

 こうした偽アカウント網は、移民やLGBTなど性的少数者の人権擁護団体を攻撃する扇動的なコンテンツを共有。メタの5月の報告によると、メディアを装ってフリーランスのライターを雇い、移民やLGBTに反対する勢力を採用するよう働きかけようとしていた。

 オーストラリアは今年、先住民の権利に関する歴史的な国民投票を予定しており、外国の勢力がソーシャルメディアを利用して人種対立をあおるのではないかと神経をとがらせている。

 政府はデジタルプラットフォーム事業者に対し、暴力的な動画の削除や「荒らし」と呼ばれるアカウントの身元公開を義務付けている。

 さらに、IT大手が偽情報を一掃する取り組みを怠った場合に多額の罰金を科す法案を提出。フェイスブックやグーグル(Google)、ツイッター(Twitter)、ティックトック(TikTok)などに対し、世界の年間売上高の最大5%の罰金を科す方針も示している。(c)AFP