【7月8日 AFP】中央アフリカ政府は7日、同国に駐留中のロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)部隊が撤退準備を進めているとする他国の情報筋やメディアによる情報を否定した。

 ワグネルは、創設者のエフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏が反乱に失敗したことで、国外、特にシリアやアフリカ諸国での活動が疑問視されている。

 フランスの消息筋はAFPに対し、ワグネルが直面しているさまざまな問題と中央アフリカ政府の財源が限られている点に言及し、「撤退は差し迫っている。ワグネルは人員削減を進めている」との見方を示した。

 ある国の治安筋は「十分な根拠」に基づいた情報として、複数の駐屯地が放棄され、ロシアのイリューシン(Ilyushin)76型輸送機が離陸したとしている。

 フランスの治安筋はこの動きについて、「今後数か月の給与支払いに対する強い不透明感と、ワグネルに同行している家族が報復を受ける可能性への懸念」が原因との見解を示した。ワグネルの隊員は、民間人に戻るか、ロシア軍に入隊するか、ロシアの他の民間企業に転職するかの選択を迫られているという。

 しかし、中央アフリカの大統領特別顧問はこうした見方について、「彼らは全員ここにいる。メディアの主張は、でたらめな臆測に他ならない」と一蹴した。(c)AFP