【7月7日 AFP】オランダ政府は6日、旧植民地のインドネシアとスリランカに文化財約480点を返還すると発表した。

 政府は昨年、植民地時代に違法に持ち去った美術品や化石などの返還を求めるインドネシアの要請に応えて専門委員会を設置。この委員会の勧告に基づき、現在国内の博物館に展示されている約480点の返還を決定した。

 返還品の中には、オランダ植民地軍が1894年にインドネシア・ロンボク(Lombok)島にあるカクラネガラ(Cakranegara)宮殿を占領した際に略奪された、数百の金銀製品から成るいわゆる「ロンボクの宝」も含まれている。

 また、18世紀にスリランカ中部キャンディ(Kandy)の貴族が王に贈ったとされる金や銀、ルビーなどの宝石で装飾された青銅製の大砲も返還される。1765年に同地を制服したオランダ軍の手に渡り、アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)が所蔵してきた。

 オランダは近年、植民地主義の清算に取り組んでいる。その一環としてウィレムアレクサンダー国王(King Willem-Alexander)は1日、過去の奴隷制へのオランダの関与について謝罪した。(c)AFP