【7月6日 AFP】インドの裁判所は5日、イスラム教徒のタブレズ・アンサリさん(24)をリンチした男10人に禁錮10年を言い渡した。アンサリさんはその後、死亡した。

 アンサリさんは2019年、強盗と疑われ、柱に縛り付けられ、12時間にわたり暴行を受けた。アンサリさんは暴徒に泣きながら命乞いをしていた。

 暴行の様子を収めた動画には、強硬派ヒンズー教徒が一般的に唱える「ジャイ・シュリ・ラム(ラーマ万歳)」と言うよう強制されるアンサリさんの姿が映っている。

 警察はその後、危篤状態のアンサリさんを窃盗容疑で拘束。アンサリさんは数日後に拘束下のまま病院に搬送されたが、死亡が確認された。

 アンサリさんがリンチを受けている動画が拡散すると、市民から激しい非難の声が上がった。これを受け警察はヒンズー教徒の男ら12人を逮捕したものの、うち2人は証拠不十分で釈放した。

 残りの10人は先週、故殺罪で有罪判決を受けている。

 アンサリさんの妻シャイスタ・パルビーンさんは、夫の殺害を助けたとして警察を非難している。また、より重い量刑を望むため上訴するとしている。

 パルビーンさんはAFPの取材に対し「裁判所の判決は尊重するが、満足しているわけではない。正義を求めて上訴するつもりだ」と述べた。(c)AFP