【7月6日 AFP】国際NGO「ビジネスと人権リソースセンター(Business and Human Rights Resource Centre)」は6日、再生可能エネルギー産業で使用する鉱物資源に投資する中国企業数十社について、世界18か国で人権侵害や環境破壊をしている疑いがあるとする報告書を発表した。

 これによると2021年1月~22年12月の2年間で、鉱物調達に関わる中国企業による人権侵害や環境破壊が疑われる事例が18か国で計102件記録された。

 国別で最も多かったのはインドネシアで27件と、全体の4分の1以上を占めた。次いでペルーの16件、コンゴ民主共和国の12件、ミャンマーの11件、ジンバブエの7件などとなっている。

 報告書は、全体の3分の2以上が現地社会に対する権利侵害に関係し、半数以上は環境への悪影響が指摘されるとしている。これには水質汚染や野生生物の被害、給水の阻害などが含まれている。

 また3分の1以上で労働者の人権侵害が疑われている。報告された中国企業39社のうち、人権に関する指針を公表しているのはわずか7社だった。

 中国政府は海外で石炭火力発電所は新設しないと公約している。だが同NGOは、この環境保護に関する公約は「海外事業活動に関連する深刻な人権リスクによって薄められている」と批判した。

 また「われわれのデータは移行鉱物の探査、採掘、加工において、人権侵害と環境搾取がまん延していることを示している。こうした事態の矢面に立っているのは地域社会だ」と警告した。(c)AFP