【7月23日 AFP】セネガル・ダカール地域の果物市場の外で、道をふさぐように止められたトラックから、大勢の男性が汗を流しながら貴重な荷物を降ろしていた。国内で人気の果物「マッド」60トン分だ。

 マッドはデリケートなため、猛暑の中、急いで作業をしなければならない。

 黄色をしたマッドは独特の甘酸っぱい風味があり、ビタミンと食物繊維が豊富だ。つる性植物で、国内各地に自生する。旬は5月から8月と比較的短い。

 道端のあちこちで、塩や砂糖、唐辛子を加えたり、ジュースやジャムに加工したりして売られている。

 マッドはコートジボワールやマリ、ギニアなど西アフリカ各地で食されており、名称は地域によって異なる。だが、セネガルで一番の人気を誇っている。

 セネガルの西部ピキン(Pikine)にある市場では、到着したばかりのトラックから降ろされたマッドを、熟成度により分けていた。

■急いで市場へ

 マッドを販売するダム・サールさん(28)は、「荷降ろしはきょう中には終わる」と話す。おじとともにマッドに600万CFAフラン(約140万円)を投資したという。

「マッドは収穫から日がたつと品質が落ちる。早く荷降ろししないと、あすには値が下がる」と、サールさんはパラソルの下で語った。

■南部のごちそう

 マッドの大半は南部カザマンス(Casamance)地域で栽培される。

 カザマンスでマッドの販売プロジェクトを率いるマリアマ・ジェメさんは、アクセスが改善されれば、生産量は3倍になると説明した。

 一方で、過剰採取や狩猟者による被害などの脅威に直面していると、ジェメさんは指摘した。(c)AFP/Soule DIA