【11月25日 AFP】雨でも、みぞれでも、雪でも、真冬でも、スカンディナビア(Scandinavia)半島の子どもたちは屋外で昼寝をする。北欧のプリスクール(就学前教育)では、子どもたちに自然を愛することを教えている。

 スウェーデンとデンマークでは、6歳から義務教育が始まる。しかし、大半の子どもはそれ以前から保育園や幼稚園、プリスクールに通っている。中でも、保護者の多くが選択するのは、森で遊び、自然に親しむことができる屋外型のプログラムだ。

 スウェーデンの首都ストックホルム郊外ソルナ(Solna)のプリスクールで働くアンドレアス・ペガドさんは、「現代社会では、テクノロジーがあらゆる場面に登場する。だからこそ、子どものうちから自然と触れ合い、自然との向き合い方や自然に対する尊重について学ぶことが大切になると思う」と述べる。ペガドさん自身も娘を屋外型のプリスクールに通わせている。

 子どもたちは、大雨で室内に退避する必要がある日以外は、屋外でたき火を囲み、木の椅子に座ってお昼ごはんを食べる。

 お昼ごはんが終わると、2歳以下の子どもたちは屋根のある簡易小屋で昼寝をする。たとえ気温が氷点下になったとしても、この開口部が大きくとられた小屋での昼寝は欠かさない。

■「森のバス」

 隣国デンマークでは、アスファルトに囲まれた都市部の子どもたちを自然豊かな地域に連れ出すため、多くのプリスクールが「森のバス」を利用している。

 森へと続く広い野原では子どもたちが自由に走り回ることができ、併設されている木造の小さな建物は、必要に応じて退避できる場所にもなっている。

 青空の下、子どもたちの自主性を伸ばそうと、スタッフらは工夫を凝らしたさまざまなアプローチを試す。

 プリスクールで働くスタッフの一人、イーベン・オルゴーさんは、「ここにくると、子どもたちはいつもと違ったものに興味を示す」とAFPに説明した。