【7月2日 AFP】オランダのウィレムアレクサンダー国王(King Willem-Alexander)は1日、同国における過去の奴隷制への関与について謝罪した。

 国王は、アムステルダムで開かれた式典で、南米スリナムやカリブ海諸国出身の奴隷の子孫ら数千人を前に「わたしはきょう、国王として、政府の一員としてあなた方の前に立っている。一人の人間として謝罪する」と語った。演説はテレビ中継された。

 演説では、奴隷制の下で王室に富がもたらされたことについては言及しなかったが、「奴隷貿易および奴隷制は人道に対する罪と認識されている」とした上で、「歴代国王はそれに反対する手だてを講じてこなかった」と認めた。

 米国で「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」のスローガンの下、反人種差別運動が広がって以来、オランダでも過去の植民地政策や奴隷貿易をめぐる議論が活発化。昨年12月にはマルク・ルッテ(Mark Rutte)首相が、奴隷制への関与について政府を代表して公式謝罪した。(c)AFP