【6月30日 AFP】英外相は29日、国連安全保障理事会(UN Security Council)を拡大し、アフリカの常任枠を設ける案への支持を表明した。現在および将来の世界情勢を反映した体制にすべきだとしている。

 ジェームス・クレバリー(James Cleverly)外相はロンドンのシンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス、Chatham House)で、「アフリカ代表の常任枠を設け、常任国を拡大してインド、ブラジル、ドイツ、日本を追加することを望む」と述べた。

 その上で、「大胆な改革だと理解している。だが、これにより安保理が2020年代にふさわしい組織になる」と説明した。

 クレバリー氏は、世界の人口分布を見てもアフリカが優勢だと指摘。このため、債務問題や貧困、気候変動への取り組みなどにおいて、アフリカ諸国に発言権を与えることがかつてなく重要になっているとの見解を示した。

 安保理の常任理事国は英国、米国、フランス、ロシア、中国。これに加え、10か国が任期2年の非常任理事国を務める。

 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領も以前、安保理を拡大してアフリカの国を加え、アフリカ連合(AU)を20か国・地域(G20)に含める案への支持を示唆。さらに、安保理に南米の常任枠をつくり、日印を常任理事国に加えることへも賛意を示していた。

 開発途上国は長年、常任理事国が拒否権を持つ安保理で、発言権がないことに不満を示し、また、こうした偏りによって組織自体が時代遅れになると主張している。(c)AFP