【6月29日 AFP】ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の反乱への同国政府の対応について、ロシアの軍事ブロガーの見解は割れている。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の冷静さを称賛する声もあれば、もっと厳しい対応を取るべきだったと批判する声もある。

 メッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」で100万人以上のフォロワーを有する従軍記者、アレクサンドル・スラドコフ(Alexander Sladkov)氏は反乱当時、プーチン氏が激怒し、核兵器の使用や総動員、北大西洋条約機構(NATO)への宣戦布告などの対応を取るのではないかと考えたという。

 しかし、1日がかりで「幸いにも、プーチン氏は冷静だった。大いに挑発されたが、感情をコントロールできている」と結論付けたとしている。

 一方、ワグネルが反乱を起こしたこと、その参加者を処罰しないと大統領府(クレムリン、Kremlin)が明言したことは、プーチン政権の弱さの表れだと指摘する声もある。

 従軍記者のユーリー・コテノク(Yuri Kotenok)氏は「武装した部隊がモスクワに進軍している時、国防相はどこにいた?」と批判したが、プーチン氏個人の責任は追及しなかった。

 プーチン氏は27日に大統領府で開かれた式典で、ワグネルの反乱を防いだと軍を称賛した。しかし、この式典はネットで嘲笑の的になっている。

 ワグネルは反乱時、南部ロストフナドヌー(Rostov-on-Don)の南部軍管区司令部を含む複数の軍事施設を制圧、モスクワに向けて進軍した。

 テレグラムで6万3000人のフォロワーを有するチャンネル「Battle_Z_Sailor」は「南部軍管区司令部の将校は、ワグネルを見るや否や恐怖のあまり失禁し、持ち場を放棄しただけなのに、きのう、ぬけぬけと表彰を受けていた」と投稿した。

 テレグラムで10万人近いフォロワーを有する人気チャンネル「Govorit TopaZ」も、「大統領府で今、反乱の無血での解決に何も貢献しなかった連中が表彰、称賛されている」と指摘。当局は「反乱の原因に一言も触れていない」と批判している。(c)AFP