【6月28日 AFP】スウェーデン警察はイスラム教の犠牲祭(イード・アル・アドハ、Eid al-Adha)の3連休初日に当たる28日、首都ストックホルムの主要モスク(礼拝所)の前でイスラム教の聖典コーラン(Koran)を燃やすデモを許可したと発表した。

 焼却に伴う治安上のリスクが懸念されるものの「現行法下で(デモ)申請の却下を正当化できる性質のものではない」としている。

 スウェーデンでは今年1月にトルコ大使館の前でコーランが焼かれたことをきっかけに、数週間にわたる抗議デモが発生。スウェーデン製品のボイコットが呼び掛けられたり、トルコ政府の態度硬化で北大西洋条約機構(NATO)加盟プロセスのさらなる停滞が生じたりした。

 警察はその後の2月、治安上のリスクを理由に、トルコ大使館とイラク大使館の前で計画されていた個人と団体による二つのコーラン焼却デモを禁止した。しかし控訴裁判所は2週間前、この決定を退けた。

 28日のデモを申請したのは、2月に個人によるデモを却下されたサルワン・モミカ(Salwan Momika)氏(37)で、申請書には「ストックホルムの大モスクの前で抗議し、コーランに関する自分の意見を表明したい。コーランを破って燃やす」と記している。

 警察は28日、全国から警官を動員し、警備を強化すると発表。AFP特派員によると未明にはすでに数台のパトカーがモスク付近に駐車していた。

 スウェーデンの政治家たちはコーラン焼却を批判はしているが、表現の自由の権利も断固擁護している。(c)AFP