【6月28日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は27日、ロシアで反乱を起こした民間軍事会社ワグネル(Wagner)の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏がベラルーシ入りしたことを受け、同国またはロシアによるいかなる脅威からも加盟国を防衛する用意があると表明した。

 ストルテンベルグ氏は、オランダ・ハーグ(The Hague)で開かれた7か国首脳との夕食会後に会見。プリゴジン氏と、おそらく一部のワグネル戦闘員のベラルーシ入りから何らかの結論を引き出すのは時期尚早とした上で、「ロシア・ベラルーシ両政府に、NATOが全同盟国とNATO圏の隅々まで防衛するという明確なメッセージが伝わっているのは確実だ」と話した。

 ベラルーシに隣接するリトアニアのギタナス・ナウセーダ(Gitanas Nauseda)大統領は、ワグネルの戦闘員がベラルーシを拠点にする危険性を指摘。「近隣諸国が不安定化する危険が増大する」と述べた。

 ストルテンベルグ氏も、今回の反乱でロシア国内の混乱が露呈したものの、西側諸国は「ロシアを過小評価してはならない」とくぎを刺した。

 また来週リトアニアで開催されるNATO首脳会議では、ロシア・ベラルーシの隣接国を中心に全加盟国の防衛を強化することで合意する見通しを示した。

 さらに、ウクライナへの支援継続の重要性を訴え、同国のNATO入りについて加盟国の間で議論が進められるだろうと述べた。(c)AFP