【6月25日 AFP】ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は24日、民間軍事会社ワグネル(Wagner)による同国内での反乱について、ワグネルの部隊は首都モスクワへの進軍をやめ、創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏はベラルーシに出国するとし、同氏および戦闘員の罪は問わないと発表した。ワグネルは、ロシア軍司令部などを占拠していた南部の都市からも撤退した。

 ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領がプリゴジン氏を説得し、同氏が部隊の撤収を受け入れた。プリゴジン氏は、モスクワでの流血を回避するため、部隊を「引き返させ、野営地に戻す」と表明した。

 部隊は当初、南部ロストフ(Rostov)州の州都ロストフナドヌー(Rostov-on-Don)に置かれているロシア南部軍管区司令部などを占拠していたが、州知事によると、25日未明までに撤退した。

 引き揚げる部隊に対し、一部の住民は「ワグネル、ワグネル」と連呼し、支持する姿勢を示した。

 また、モスクワから南へ400キロの地点に州都があるリペツク(Lipetsk)州では、ワグネル部隊の進軍を受けて発令されていた行動制限措置を解除した。

 大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は記者団に、「(プリゴジン氏の)刑事訴追手続きを停止する。彼はベラルーシに行く」と語った。「武装反乱」に参加していた戦闘員の罪も問わないと述べた。

 一方、ウクライナのミハイロ・ポドリャク(Mykhailo Podolyak)大統領府顧問はツイッター(Twitter)に、「プリゴジンはプーチンと国家を辱め、(ロシア指導部は)もはや暴力を独占することはできないということを見せつけた」と投稿した。ロシア側は、今回の反乱がウクライナ侵攻に影響を及ぼすことはないとしているが、ウクライナは、反転攻勢への弾みとなる好機となったと述べた。(c)AFP