■「生が一番」

 バスケス氏は、著名料理研究家の故シモーネ・オルテガ(Simone Ortega)氏が手掛けたベストセラー本「1080のレシピ(1080 Recipes)」には、マグロ料理としてはツナ缶を使ったグラタンの一種類しか載っていなかったと話した。

 アルマドラバ生産者・漁師団体によると、かつてカディスで水揚げされたマグロの8割は日本に輸出されていたが、現在は7割がスペイン国内で消費され、残りの3割がアジアに輸出されている。

 白壁の家並みと砂浜が広がるカディスには、アルマドラバで捕獲されたクロマグロを食べようと、多くの人が訪れる。

 クロマグロにちなんで名付けられた小規模なリゾートの町、サアラデロスアトゥネス(Zahara de los Atunes)では毎年、マグロ祭りが開催されている。町役場によれば、昨年は4日間の会期中に、バルやレストランで10万5千皿のタパス(小皿料理)が提供された。

 スウェーデンから訪れたシェフのノア・G・ホワイトさん(23)は、バスケス氏のレストランで食事した感想をこう語った。

「新鮮さが全て。私にとっては生が一番のごちそうだ」 (c)AFP/Alfons LUNA