【6月12日 AFP】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は12日、核保有国に関する報告書の中で、中国が保有する核弾頭数が1年で60発増え、推計で410発となったと発表した。

 SIPRIによると、核保有国9か国(米英仏中ロ、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮)の核弾頭の総数は、昨年初頭の1万2710発から、今年初頭には1万2512発に減少している。

 だが、このうち解体予定分を除く「運用可能な」核弾頭数は9576発で、1年前より86発増えていた。その大半を占めたのが中国で、昨年の350発から410発に増えた。また、印パおよび北朝鮮でも運用可能な核弾頭数が増えていた。

 ロシアの保有総数は、4477発から4489発と微増にとどまった。ただし、米ロを合わせた核弾頭数は依然、全体の9割近くを占めている。

 SIPRIのダン・スミス(Dan Smith)所長は「全体として、30年以上にわたって核弾頭数は減少傾向にあったが、そのプロセスが今、終わりを迎えようとしている」と指摘した。また、経済力と影響力を増すにつれ、軍事力にも多大に投資している中国について「世界の大国としていっそう力を拡大している」と述べた。(c)AFP