【6月9日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2023)は8日、女子シングルス準決勝が行われ、ノーシードのカロリーナ・ムホバ(Karolina Muchova、チェコ)は大会第2シードのアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)を7-6 (7-5)、6-7(5-7)、7-5で破り、自身初の四大大会(グランドスラム)決勝進出を果たした。

 世界43位のムホバは、ここまで今大会では1セットも落としていなかったサバレンカを相手に、最終セット2-5からマッチポイントも1本しのいで試合をひっくり返し、3時間13分の激闘を制した。10日の決勝では、前回女王で第1シードのイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)に挑む。

 2021年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2021)で4強入りを果たし、世界ランキングもトップ20入りの実績を持つムホバだが、近年は度重なるけがに悩まされ、昨年9月にはトップ200圏外に転落。医師からは「これ以上、競技は無理かもしれない」と言われたこともあったものの、前向きな気持ちを保ち続けながら復帰に向けて取り組んできたという。

 今大会ではサバレンカだけでなく、1回戦では第8シードのマリア・サッカリ(Maria Sakkari、ギリシャ)、準々決勝では2021年大会準優勝のアナスタシア・パフリュチェンコワ(Anastasia Pavlyuchenkova)ら強豪選手を倒して勝ち上がった。

 一方、ベラルーシ出身のサバレンカは、ウクライナでの戦争や母国のアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領に関する議論に多くの時間を費やしてきた大会に幕を下ろすことになった。

 この日の試合後も「きょうは政治の話はしたくない。自分の主張は全て行った。テニスの話をしましょう。お願いだから、政治の話からはしばらく休ませてほしい」とコメントし、騒動から距離を取った。(c)AFP/Dave JAMES