【6月11日 AFP】靴の中に押しピンを入れられ、トイレに閉じ込められ、おなかを蹴られた。韓国で美容師として働いているピョ・イェリムさん(26)は今、学生時代に受けたさまざまないじめについて声を上げている。

 韓国で、「学暴(Hakpok)#MeToo」と呼ばれる現象が広がっている。学校で暴力を受けていたとする人々が数十年後に加害者を名指しで非難し、社会的制裁を与えるもので、動画配信大手ネットフリックス(Netflix)のドラマ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~(The Glory)」で世界的に有名になった。

 ピョさんは、独りで苦しんでいたとAFPに話した。教師からは、いじめの加害者たちと「もっと仲良く」するようにと言われ、暴力は何年も野放しにされた。ついには進学の夢を諦め、退学して職業訓練を受けることにした。

「誰かが助けてくれればいいのにと、ずっと思っていた」と話すピョさん。だが、手を差し伸べてくれる人は現れなかった。「(学校から)逃げ出し、必死に自分の力で生き延びた」