【5月27日 AFP】ポーランド議会は26日、「国内におけるロシアの影響」についての調査委員会を設置する法案を可決した。

 同法案をめぐっては、政治家が裁判官の役目を果たすことになるとの批判の声も上がっており、野党は「憲法上のクーデター」だと非難している。

 調査委員会のメンバー9人は下院に、委員長はマテウシュ・モラウィエツキ(Mateusz Morawiecki)首相に任命される。委員はその決定について責任を問われることはない。対象が2007~2022年にロシアの影響力に屈したかどうかを調査し、屈したと判断すれば厳罰を科す。

 有罪になれば、上訴手続きは一切用意されておらず、場合によっては財務や機密情報に関わる公職への就任を10年禁止される。狙いは、そうした人物が再びロシアの影響下で活動し、ポーランドの国益を損なうのを防ぐためとされている。

 野党は委員会への参加を拒否。愛国主義的な保守与党「法と正義」が秋の議会選を前に政敵を妨害し、野党が選挙に勝利しても要職に就くのを阻止するためだと批判している。

 同法案は今月、野党が多数派を握る上院で否決されたが、下院では第2読会で可決された。成立には法と正義所属のアンジェイ・ドゥダ(Andrzej Duda)大統領の署名が必要だが、ドゥダ氏は本件についてコメントしていない。(c)AFP