【5月26日 AFP】南米チリの水産庁(Sernapesca)は25日、全国で流行している鳥インフルエンザで大きな被害が出ている北部沿岸で、今年に入りアシカやペンギン、カワウソ、小型鯨類など9000頭・羽・匹近い死骸が発見されていると発表した。

 チリ北部では今年1月以降、アシカ7600頭以上、絶滅危惧種のフンボルトペンギン1186羽のほか、複数のカワウソやイルカの死骸が海岸で見つかったという。

 現在チリでは全16州のうち12州で鳥インフルエンザが確認されており、水産庁はさらなる拡大を防ぐために、感染した動物の埋葬など沿岸部での「監視要綱」を導入した。

 2021年後半以降、史上最悪とされる鳥インフルエンザの世界的な流行により、計数千万羽の家禽(かきん)が殺処分され、野鳥が大量死している。哺乳類に感染することはまれだが、一部の国では哺乳類の感染例も増加傾向にある。ペルーでは、アシカ数百頭が死んでいる。

 チリでは今年3月、人への感染例として初となる53歳男性の感染が確認された。南米ではさらにアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ペルーでも感染者が出ている。(c)AFP