【5月17日 AFP】南アフリカの小学4年生の8割が、文章を読む能力が低いことが、国際教育到達度評価学会(IEA)が16日公開した2021年の国際読解力調査(PIRLS)結果で明らかになった。

 調査は、世界の小学4年生(9~10歳)を対象に5年ごとに実施されている。今回対象となったのは、世界57か国の40万人。アフリカから参加したのは南ア、モロッコ、エジプトの3か国のみ。

 アフリカ最大の工業国である南アでは、読む力に問題があった子どもは81%と、前回16年の調査の78%から悪化した。

 調査対象国の平均点は500点だったが、南アフリカは288点で最下位だった。首位はシンガポールの587点。

 南アフリカのアンジー・モツシェクガ(Angie Motshekga)基礎教育相は同日、首都プレトリアで開催された教育会議に出席し「残念ながら、読む能力が著しく低いことが明らかになった」と述べた。

 モツシェクガ氏は、「読書指導は口頭でのやりとりのみに集中することが多く、読んだり、書かれた言葉の意味を理解したりすることは無視されている」と指摘。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、政府の初等教育改善計画が妨げられたと続けた。

 同国では感染拡大防止のため、約1年間にわたって学校が閉鎖された。(c)AFP