【5月13日 AFP】ポルトガルで12日、不治の病や緩和できない苦痛を抱えている人への安楽死を認める法案が議会で可決され、紆余(うよ)曲折を経て成立した。

 安楽死の申請が認められるのは、18歳以上の末期患者で「常時」「耐え難い」苦痛があり、知的・精神的な判断能力を有する場合に限られる。

 適用されるのは国民および合法的な居住者のみで、自殺ほう助を希望して入国する外国人は対象外となる。

 安楽死問題はカトリックの影響が強いポルトガルを二分した。敬虔(けいけん)なカトリック教徒で保守派のマルセロ・レベロデソウザ(Marcelo Rebelo de Sousa)大統領は強く反対。安楽死法案は3年間で4回可決されたが、大統領が拒否権を発動して差し戻し、その都度、違憲審査が行われた。

 今回は、絶対多数を占める与党・社会党が支持に回り、最終版が可決された。新法は1週間以内に公布され、同国メディアによると、秋までに施行される見通し。(c)AFP/Levi FERNANDES