【5月12日 AFP】フランスで教育制度に抗議するために英語の試験の答案用紙を燃やした高校教師が今秋、裁判にかけられる。検察と教育委員会が10日、明らかにした。

 パリにある職業高校に勤めるビクトル・イモルディーノ(Victor Immordino)被告(29)は9日、学校前で英語の答案用紙63人分を燃やした。

 イモルディーノ被告は翌10日、仏ニュース専門局BFMTVに対し、4月中旬に行われた試験の「答案を見たが壊滅的な出来だった。生徒たちには再試験の機会が与えられるだろう」と述べ、教育制度に関する「国民的議論」を巻き起こすために、視覚効果を狙って答案用紙を燃やしたと説明した。

 仏紙パリジャン(Le Parisien)に対しては、生徒たちが中等教育修了試験に合格できるよう、事前に出題内容を伝えることにしたが、直前に学校側が問題を変更したと述べた。

 同紙のウェブサイトが公開している動画では、イモルディーノ被告が答案用紙をブリキ缶に投げ入れ燃やしながら「この3年間で、われわれがやっていること、特に英語の授業には意味がないことが分かった」「7年も英語教育を受けているのに、単語をつなげることすらできない生徒もいる」と語っている。

 教育委員会によると、学校側は現在、答案用紙が焼やされた生徒向けに試験問題を作成し直している。

 検察によると、イモルディーノ被告は停職処分を受け、10月27日の裁判まで学校への接近を禁じられている。有罪となった場合、禁錮10年と15万ユーロ(約2200万円)の罰金を科される可能性がある。(c)AFP