【5月12日 AFP】トルコで14日に実施される大統領選を前に、現職レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の最有力対抗馬と目されている野党・共和人民党のケマル・クルチダルオール(Kemal Kilicdaroglu)党首が11日、ロシアが選挙に介入し「ディープフェイク」を広めていると非難した。共和人民党は、中道左派の世俗主義政党。

 クルチダルオール氏は「親愛なるロシアの友人たちへ」「きのうトルコで暴露されたモンタージュ画像、陰謀論、ディープフェイク、録音音声の背後にいるのはあなた方だ」とツイッター(Twitter)に投稿。「5月15日以降もわが国との友好を望むのであれば、トルコから手を引くべきだ。われわれはまだ協力と友好を望んでいる」と訴えた。

 世論調査では、クルチダルオール氏がエルドアン氏をリードしている。大統領選で過半数を獲得した候補が出ない場合、28日に決選投票が行われる。

 クルチダルオール氏の投稿の数時間前には、大統領選の世論調査で3番手となっていたムハッレム・インジェ(Muharrem Ince)氏が撤退し、選挙戦は混迷を深めている。

 インジェ氏はインターネットで中傷キャンペーンの標的とされ、女性と会ったり高級車に乗ったりしている加工画像を拡散されたのを受け、撤退を表明した。

 世論調査によると、2~4%の票を獲得するとみられていたインジェ氏の支持者の大半は、クルチダルオール氏に流れる可能性が高い。(c)AFP