【5月11日 AFP】独ベルリンで10日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の年次株主総会に人権侵害や気候変動対策に抗議する活動家が乱入し、議事が一時中断するなどの混乱が生じた。

 会場前にも環境活動家らが集結し、原材料調達から廃棄・リサイクルまでに排出される温室効果ガスの排出量を二酸化炭素(CO2)に換算した「カーボンフットプリント(CFP)」の削減を求めた。環境保護団体「サイエンティスト・レベリオン(Scientist Rebellion)」は「科学は明快だ。VWの自動車販売計画による(CO2)排出量は地球の限界を超えている」とのメッセージを掲げた。

 会場内では、同日80歳の誕生日を迎えたヴォルフガング・ポルシェ(Wolfgang Porsche)監査役にケーキが投げ付けられ、議事が中断。オリバー・ブルーメ(Oliver Blume)最高経営責任者(CEO)の演説中には、トップレスの女性が乱入し、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)での事業を批判した。

 VWは、中国自動車大手、上海汽車集団(SAIC)との合弁事業で操業するウイグル自治区にある工場での人権侵害に目をつぶっていると批判されている。しかし、VWは同自治区の関連工場での強制労働疑惑を否定している。

 デモを受け、VWは「建設的な対話が重要だ。株主総会はその良い機会だ」と述べた。(c)AFP