【5月9日 AFP】ドイツの行政裁判所は8日、第2次世界大戦(WWII)の終戦記念期間中、首都ベルリンにある旧ソ連関連記念碑3か所でロシアの国旗やシンボルを掲示することを禁じた。

 高等行政裁判所は、ロシア国旗やオレンジと黒のしま模様の聖ゲオルギー(Saint George)リボンが、ウクライナ侵攻支持の象徴として使われるのではないかという警察の懸念を支持した。「現状では、侵攻支持宣言だと見なされる可能性がある」とし、「暴力を使うこともいとわないことを示す」ものだと指摘した。

 警察は当初、第2時世界大戦の終戦記念式典が行われる今月8日と9日に旧ソ連関連の記念碑で、ウクライナとロシア両国の国旗の使用を禁じると発表していた。「ロシア・ウクライナ間の戦争が今も続いてはいるが、これらの記念碑への敬意は損なわれていない」と説明した。

 だが、ウクライナとロシア双方の関連団体の申し立てを受け、行政裁判所は6日、国旗使用の禁止は無効との判断を下していた。

 ウクライナの活動家らは、ウクライナ国旗の使用が認められたことは歓迎したが、ロシアのシンボルが認められたことには懸念を示した。

 警察はロシア国旗とシンボルの使用についてのみ控訴していた。

 在独ウクライナ人の団体によると、聖ゲオルギー・リボンは「2014年以降、ロシアによるウクライナへの攻撃を正当化し、賛美する」象徴として使われてきた。(c)AFP