【5月9日 AFP】カナダ政府は8日、中国政府に批判的な中国系議員に圧力をかけようとしたとして、中国の外交官に対し国外退去を通告したと明らかにした。

 関係筋によると、5日以内の出国を要請されたのは、在トロント中国領事館の趙巍(Zhao Wei)氏。

 メラニー・ジョリー(Melanie Joly)外相は、問題の外交官は「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」だとし、「他国によるいかなる内政干渉も容認しない」と強調した。

 一方、中国政府は、国際法と外交規範に反しているとしてカナダに正式に抗議。第2位の貿易相手国である中国との関係を「意図的に損ねている」と非難した。

 カナダ下院は2021年2月、中国が新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のイスラム教少数民族ウイグル人に「ジェノサイド(集団殺害)」を行っているとする動議を採択した。

 これに対する報復として、中国の情報機関が中国系のマイケル・チョン(Michael Chong)議員と、香港在住の同議員の親族に制裁を科そうとしているとのカナダ国内の報道を受け、チョン氏が問題提起していた。(c)AFP