【5月1日 AFP】インドの森林保護当局は先月末、南部ケララ(Kerala)州で少なくとも6人を死なせた野生ゾウを麻酔銃を使って捕獲し、野生動物保護区に移送した。メディアが報じた。

 この雄のゾウは、米や穀物を扱う店を襲うことからArikomban(米好きのゾウ)と呼ばれていた。

 英字紙インディアン・エクスプレス(Indian Express)によれば、4月29日に森林保護当局の職員150人によって捕獲されたが、麻酔銃で5発撃たれても抵抗を続けたという。

 足を縛られて目隠しをされ、野生のゾウを捕獲するために訓練されたクムキと呼ばれるゾウ4頭によってトラックに押し込まれた後、全地球測位システム(GPS)付きの首輪をはめられ、野生動物保護区に移送された。

 環境活動家は、インドの一部地域で人と動物の衝突が増加しているのは、森林や「緑の回廊」と呼ばれる野生動物の移動経路周辺で人の居住地が急拡大しているためだと指摘している。

 政府発表では、インドには野生のアジアゾウの60%以上が生息している。2017年に行われた最新の個体数調査では2万9964頭が確認された。(c)AFP