【4月27日 AFP】カンボジアのフン・セン(Hun Sen)首相は27日、メコン(Mekong)川に生息する絶滅危惧種カワゴンドウ(イラワジイルカ)を保護する政令を廃止すると発表した。政令は2か月前に制定されたばかりだった。

 メコン川のカワゴンドウの個体数は、違法漁業や生息地の喪失により、1997年の200頭から2020年には89頭にまで減少した。世界自然保護基金(WWF)によると、22年には11頭が死に、過去3年で死んだ数は計29頭となっている。

 フン・セン氏は今年2月、1週間で3頭が死んだことを受け、メコン川の120キロの区間に漁業を禁止する保護区を設ける政令を制定した。

 しかし2月以降も2頭が死に、うち1頭は、先週漁網に掛かって死んでいるのが発見された生後4日の赤ちゃんだった。

 フン・セン氏は廃止について、カワゴンドウが死に続けている上、漁師にも影響が出ているためだと説明している。

 同氏はイルカ保護区域の一部での漁を禁止し、電気ショック漁法の取り締まりを強化する以前の規制を復活させるよう命じた。(c)AFP