【4月22日 AFP】メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は20日夜、数年前から売却を試みてきた大統領専用機の買い手が中央アジアのタジキスタン政府に決まったと明らかにした。ロペスオブラドール氏は、豪華な同機は国民への「侮辱」だと非難していた。

 大統領専用機はボーイング(Boeing)787型機ドリームライナー(787 Dreamliner)。売却額は16億6000万ペソ(約123億円)としている。

 左派で緊縮財政を唱えるロペスオブラドール氏は、2018年大統領選の運動中から「(前米大統領の)ドナルド・トランプ(Donald Trump)でさえあんな飛行機は持っていない」として、大統領専用機の処分を公約に掲げていた。

 ロペスオブラドール氏は売却を発表した動画の中で、大統領専用機の隣に座り、「この飛行機を使っていたら恥じていただろう。心からそう思う」と述べた。

 売却代金は、南部の貧困州2か所に病院を建設する予算に充てられるという。

 大統領専用機は、専用の寝室、浴室を備え、座席数は80。フェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)元大統領の在任時(2006~12年)に2億1800万ドル(現在のレートで約292億円)で政府が購入した。だが、後任のエンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)前大統領しか使用していない。(c)AFP