【4月21日 AFP】キルギスのサディル・ジャパロフ(Sadyr Japarov)大統領は20日、キルギス語表記のキリル文字からラテン文字への変更について、時期尚早との見解を示した。背景には、トルコがテュルク語圏諸国で共通の言語空間を創ることを推進していることがある。

 キルギスは旧ソ連構成国で、ロシアの同盟国でもある。

 キルギス語はテュルク諸語の一つだが、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)が強制したキリル文字を現在も使っている。

 ラテン文字表記への変更はこれまでも繰り返し議論されてきたが、ロシアが昨年、ロシア語話者の保護を主張しウクライナに侵攻したことから、早急な議論が求められている。

 ジャパロフ大統領は国語政策委員会の委員長に対して、「キルギス語のラテン文字への移行を議論するのは時期尚早」だとし、キリル文字の使用を継続すべきだと述べた。

 ラテン文字を使用しているトルコは、テュルク語圏である中央アジアの旧ソ連構成国と共通の言語空間を創ろうとしている。

 カザフスタンなど中央アジアの複数国は、すでにラテン文字表記への移行を進めている。ロシアによる支配の象徴と言える絆を断ち切ろうとしている国がある一方、移行に難航している国もある。(c)AFP