【4月21日 AFP】「メキシコの屋根」と呼ばれる火山としては北米最高峰のオリサバ山(Pico de Orizaba、標高5,636メートル)で32日間を過ごした登山家が20日、下山を開始した。

 メキシコの登山家、ペルラ・ティヘリナ(Perla Tijerina)さん(31)はインスタグラム(Instagram)に投稿した動画で下山開始を報告した。

 その数時間前にAFPに寄せたメッセージでは、女性が「並外れたことをできる」と示すための「個人的な挑戦」だったと述べた。

 ティヘリナさんは携帯電話とソーラー充電器、他の登山家が山頂に持ち込んだバッテリーを使い、ソーシャルメディアへの投稿で挑戦を記録。雪に覆われた山頂、晴天の日の出、荘厳な月夜の写真などに加え、調理に苦労する様子や嵐で揺れるテントの動画なども投稿した。

「自然、神、自分自身と向き合った。ここは魔法のような場所だ」と述べた。

 登山界では初登頂者や最速・最多登頂者、新ルートを発見した登山家などが有名だが、高所での長期滞在記録は少ない。

 登山専門誌によると、スペインの登山家フェルナンド・ガリード(Fernando Garrido)さんが1986年、アルゼンチンにある米州最高峰アコンカグア(Aconcagua、標高6961メートル)に62日間滞在した世界記録を保持している。

 ティヘリナさんは年内にボリビア、ペルー、チリでのトレーニング遠征を計画している。夢は世界の8000メートル峰14座のいずれかに無酸素登頂を果たすことだ。特に世界で2番目に高いパキスタンのK2(標高8611メートル)制覇は「一番の夢」だという。(c)AFP