【4月22日 AFP】アルメニアの首都エレバンのオペラ座近くで、言語学者のアルトゥール・サルグシャンさん(26)は、ロシアは頼りにできないパートナーであり、アルメニアは他の「同盟国」を探すべきだと語った。

 サルグシャンさんは「アルメニアが集団安全保障条約機構(CSTO)を抜け、ロシアの影響下から離れる日を夢見ている」と話した。CSTOはロシアが主導し、旧ソ連諸国で構成される。

 宿敵アゼルバイジャンと衝突した時も、「窮地に陥ったアルメニアを、ロシアとCSTOは助けてくれなかった」と、サルグシャンさんは強調した。

 1991年のソ連崩壊以降、人口約300万人のアルメニアはロシアの軍事的、経済的支援に依存してきた。国内にはロシア軍の基地があり、ロシア語話者も多い。

 しかし今日、多くのアルメニア人が、トルコの支援を受けるアゼルバイジャンからアルメニアを軍事的に守るという責任を縮小しているロシアを、許せないと語る。

 昨年12月中旬、アルメニアと係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をつなぐ唯一の道路をアゼルバイジャンが封鎖すると、ロシアへの不満はさらに高まった。そのロシアは現在、ウクライナとの戦争で身動きが取れなくなっている。

 エレバン在住の英語教師アルピネ・マダリャンさん(42)は「アルメニアは小国だ。本当に支援してくれそうな西側陣営に加わる必要がある」と話した。「CSTOを脱退すべきだ。彼らは助けてくれないし、味方でもない」

 アルメニアは今年1月、国内で予定されていたCSTO合同軍事演習の実施を拒否した。ただ、これまでのところ脱退は否定している。行方は不透明で、CSTOを抜ける余裕はないとみる専門家も多い。

 6週間で数千人の犠牲を出した2020年秋の衝突の際、トルコはアゼルバイジャンを外交的・軍事的に支援した。一方、ロシアは外交的な介入にとどまり、アルメニアは孤軍奮闘を余儀なくされた。