【4月11日 AFP】フィリピンのフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領は10日、米軍の使用を認めているフィリピン国内の基地からの「攻撃行動」は一切認めないと述べた。

 フィリピンは先週、2014年に米国との間で締結された「防衛協力強化協定(EDCA)」に基づき合意している5つの基地に加え、新たに4つの基地の使用を米軍に許可すると発表した。この協定の下で米軍は各基地に駐留したり、防衛装備や物資を保管したりすることができる。

 協定の運用拡大を受け、中国は先週、アジア太平洋地域の平和を脅かすことになると警告。米国は「(一方の得が他方の損になる)ゼロサム思考」に陥っていると非難した。

 米軍が新たに使用できる基地4か所のうち、1か所は南シナ海(South China Sea)の係争水域の付近、もう1か所は台湾から遠くない場所に位置している。

 マルコス氏は中国の反応は「驚くには当たらない」としながらも、フィリピンは防衛力を強化しているだけだと強調。「わが国の基地については、攻撃行動への使用は一切認めない。フィリピンが助けを必要とする時に、支援のためだけに使用される」と記者団に語った。

 さらに「攻撃を受けなければわが国が交戦することはないので、懸念する必要はない」と付け加えた。(c)AFP