【4月7日 AFP】中国・江蘇(Jiangsu)省で昨年、首を鎖でつながれた女性が見つかった事件で、女性の夫とされる男に懲役9年が科された。裁判所が7日、明らかにした。

 同省徐州(Xuzhou)の裁判所によると、董志民(Dong Zhimin)被告には「虐待と違法な拘束」の罪で懲役9年が言い渡された。

 事件に絡み、董被告の他にも5人が、略取と人身売買の罪でそれぞれ8~13年の懲役刑に処された。

 当局によると、「小花梅」と呼ばれるこの女性は見つかった場所から約2000キロ離れた南西部雲南(Yunnan)省の村から連れ去られた後、複数回売買された。1998年には5000元(現レートで約9万6000円)で売られたという。

 女性はその後、董被告と結婚させられ、8人の子どもを出産。同被告の元で、不衛生で暖房もない粗末な小屋に監禁されていた。後に統合失調症と診断されている。

 昨年、極寒の中で首を鎖と南京錠でつながれた女性の動画が拡散すると、中国社会に衝撃が走り、激しい議論に発展した。当局は当初、人身売買を否定していたが、批判にさらされ、より高度な捜査に着手した。

 7日の判決を受け、ソーシャルメディアユーザーは、刑が軽過ぎると怒りをあらわにした。ある微博(ウェイボー、Weibo)ユーザーは「誰かの人生をめちゃくちゃにしておいて、たった9年の懲役とは」と投稿した。

 中国では、2016年まで続いた厳格な一人っ子政策で男児を望む風潮が生まれ、女性の人口が少ない。男女比の不均衡により人身売買が深刻化したとする米議会の報告書もある。(c)AFP