【3月30日 AFP】約2500万年前、当時木々が生い茂っていた豪内陸部には、果物や木の実を食べる大きな体のウォンバットの先祖が生息していた。豪研究者の発見した化石から分かった。

 このウォンバットの先祖は、「Mukupirna fortidentata」と名付けられた。豪フリンダース大学(Flinders University)の研究チームは、北部特別地域(準州、Northern Territory)で過去約10年の間に発掘された複数の化石を調べた。

 チームはまた、「くるみ割り人形のような歯」を持つ有袋類ポッサムの先祖「Chunia pledge」の化石も特定した。

 同大古生物学研究室のアーサー・クライトン(Arthur Crichton)氏は、これらの動物は「はるか昔に絶滅した有袋類の一種で、子孫は残らなかった」と話した。

「これらの種の研究は、現代のウォンバットとポッサムの仲間をより大きな進化の文脈の中で理解する助けになる」

「Mukupirna fortidentata」はかむ力が強く、硬い果物や木の実を食べていた可能性が高い。体重は最大50キロと有袋類として当時最大級だった。

 研究室の責任者ギャビン・プリドー(Gavin Prideaux)教授によると、「Mukupirna fortidentata」は後期漸新(Oligocene)世(2500万~2300万年前)の終わりまでには絶滅したとみられる。

 ポッサムの先祖「Chunia pledgei」については、「じれったいほど珍しい」発見だったため分かっていることは少ないが、「とても奇妙な歯をした」キツネザルのような顔をしていたとクライトン氏は話した。(c)AFP