【3月1日 AFP】台湾の国家交響楽団(NSO)は2月28日、ロシアの有名ソプラノ歌手アンナ・ネトレプコ(Anna Netrebko)さんのコンサートを中止すると発表した。

 NSOはコンサート中止の具体的な理由を明らかにしていないものの、「社会に懸念」があることから、ネトレプコさんの代理人と協議を行ったと述べた。

 ネトレプコさんは昨年3月、米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(Metropolitan Opera)が、前月にウクライナ侵攻を開始したロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を支持するアーティストとは仕事をしないと発表したことを受け、出演を取りやめた。

 ネトレプコさんはその後、侵攻を非難していた。ただ、台北で予定されていたコンサートには批判が集まっていた。

 台湾では、ウクライナ侵攻を受け、中国が同様に台湾に侵攻するのではないかとの懸念が広がっており、市民はウクライナを支持している。

 台湾文化部(文化省)は、NSOのコンサート中止を支援すると表明し、中央通信社(CNA)に対し「ウクライナ侵攻に関して、台湾の姿勢に曖昧さの余地はない」と語った。(c)AFP