【2月24日 AFP】1日12時間、週6日。ドイツでは今、ウクライナ兵数百人が戦車の操縦方法を習得するため特訓を受けている。兵士は皆、一刻も無駄にはできないことを強く認識している。

 兵士の一人はAFPに対し、「仲間が待っている。なるべく早くウクライナに戻り、敵を打倒するため力になることが望まれている」と語った。

 ウクライナ兵は、西側諸国が最近ウクライナへの供与を約束した独製の戦車「レオパルト(Leopard)2」や歩兵戦闘車「マルダー(Marder)」の整備や操縦の基礎を学んでいる。これらの兵器がウクライナに届く前に、操縦方法をマスターしなければならない。

 ウクライナ兵の中には前線から直行で、ミュンスター(Munster)近郊の森で行われる訓練に参加している者もいる。わずか5週間の訓練を経て、戦車の指揮官や操縦士、砲手にならなければならない。

 独軍の指導教官は「普通ならその倍はかかる」が、ウクライナ兵は皆「モチベーションが非常に高い」と評価している。

 訓練プログラムの責任者である独軍少尉によると、ウクライナ兵のうち、戦車の操縦経験があるのは全体の20%程度にすぎない。操縦経験者でも、乗り組んだことがあるのはレオパルトやマルダーとは似ても似つかないソ連製の戦車だ。

 あるウクライナ兵は、独高級車とソ連の大衆車を引き合いに出し、「メルセデス(Mercedes)とジグリ(Zhiguli)の差だ」とその違いの大きさを表現した。

 ナチス(Nazi)の歴史が重くのしかかるドイツにとって、欧州内での戦争に戦車を送ることには複雑な心境がある。だが指導に当たる独軍兵の心を圧倒的に占めるのは、誇りの感情だ。

 教官の一人は「ウクライナの仲間に教えていることが前線で実践されると確信している。自分たちも貢献したんだと言える」と胸を張った。

 ウクライナ側もレオパルトが必ず力になると信じている。ある兵士は、「良い影響を与えてくれる。士気も確実に上がるはずだ」と期待を示した。(c)AFP