【2月22日 AFP】トルコ・シリア大地震で被災し、母親の遺体とへその緒でつながったままの状態で救出されたシリアの女児、アフラア・スワディちゃんが叔父に引き取られた。一家で生き残ったのはアフラアちゃんのみだった。

 アフラアちゃんは、シリア北部の反体制派支配地域にあるジンディレス(Jindayris)で、がれきの下から救出された。その際の映像がソーシャルメディアで拡散されると、「奇跡の赤ちゃん」として世界中で報道され、悲嘆にくれるシリア国民を勇気付けた。

 叔父のハリール・スワディさんは、テントで避難生活を送っている。リボンの付いた赤い帽子をかぶり毛布にくるまれたアフラアちゃんを抱きながら、「この子は生きがい、世界のすべてだ」とAFPに語った。名前は、がれきの下敷きになって亡くなった母親と同じにした。

 ジンディレスの病院に搬送されたアフラアちゃんを引き取るまで、10日ほどかかった。親族であることを証明するため、DNA鑑定を受けなければならなかったという。

 スワディさんは、アフラアちゃんの亡くなった父親の妹の夫だ。父親とはいとこ同士でもあった。

「引き取れる許可が出た日は大喜びした。言葉では言い表せないほどだった」。自身も、アフラアちゃんの救出を手伝っていた。

「この子は、亡くなった父親と母親、きょうだいの生きた証しだ」とスワディさん。大きくなってから、亡くなった家族のことを話すつもりだと語った。

 テントにアフラアちゃんを連れ帰って寝かせると、娘たちが抱き締め、キスをしたという。

 スワディさんの妻も数日前に出産したばかりだが、アフラアちゃんの世話に多くの時間を費やしている。

「娘が一人増えたようなものだ」と、スワディさんは話した。(c)AFP/Rami al-Sayed