【2月19日AFP】カンボジアの首都プノンペンから約250キロ離れた東部の湖で18日、毎年恒例の稲刈り後の魚取りの行事が行われ、子どもから大人まで数百人が参加した。新型コロナウイルスの流行で過去2年は中止されていた。

 行事が行われたのはボンクローム(Boeung Kroam)湖。魚取りには竹製の網かごや網など伝統的な漁具しか使用できない。トボンクムン(Tbong Khmum)州の知事はAFPに対し「これからの世代が何百年にもわたって魚取りを続けられるよう違法な道具は使わない、との村人、特に漁師へのメッセージが込められている」と語った。

 カンボジアではメコン(Mekong)川水系で取れる魚が主要なタンパク源となっている。東南アジア漁業開発センター(Southeast Asian Fisheries Development Centre)によると、カンボジア人の魚の年間消費量は1人当たり推定63キロ。人口の約40%が漁業で生計を立てている。

 ただ、国内のメコン川上流と隣国ラオスに建造された水力発電用ダムの影響で、近年は水産資源が減っている。大型のトロール網の使用や、車のバッテリーを使って魚を感電死させる違法な漁の増加も一因とされる。(c)AFP