【2月16日 CNS】中国で新型コロナウイルス治療薬として期待されている低分子抗ウイルス剤(略して低分子薬)の発売が近い段階に入っている。業界関係者によると、低分子薬は投与が簡単で自宅で服用でき、医療リソースを圧迫せずに低コストで生産できるため、特に発展途上国でのコロナ対策に最適な手段になると見込まれている。

 先進国でも、低分子薬はワクチンを補完する医薬品として有望だ。新型コロナウイルスの発生以来、その治療薬としてレムデシビルやパクスロビドなどが開発され、世界中で承認されている。これらは当初に期待されていたような「万能薬」ではないが、ウイルスとの戦いで重要なツールの一つとなっている。

 世界の製薬会社は3年前から新生児用の経口低分子薬の開発に取り組んでいる。 この分野では、中国国内企業が猛追しており、国産のアズルフィジン錠など経口低分子薬を開発している中国企業は30社以上あるといわれる。

 一方、中国でコロナ感染が急速に広がった2022年末には、抗ウイルス剤パクスロビドが一時、闇市場で数万元(数十万円)の値で取引されていたと推測されている。業界関係者によると、パクスロビドは現在、中国のネット通販サイトで売られており、価格は2170元(約4万円)。闇市場と比べれば高くはないが、それでも中国の一般家庭には大きな負担となる価格になっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News