【2月14日 AFP】ドイツのハノーバー州立劇場(Hanover State Opera)は13日、バレエ部門トップの振付家マルコ・ゲッケ(Marco Goecke)氏を、著名批評家の顔に犬のふんをなすり付けたとして停職処分にした。

 問題の出来事は、ゲッケ氏の新作舞台「信仰・愛・希望(Belief -- Love -- Hope)」のプレミア公演の1回目の幕間に起こった。

 ゲッケ氏は、独主要日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ(Frankfurter Allgemeine Zeitung)に11日掲載された、オランダ・ハーグ(The Hague)で行われた別の舞台のレビューに激怒したとみられる。

 ゲッケ氏は記事を書いたビプケ・フスター(Wiebke Huester)氏にハノーバー州立劇場への出入りを禁止すると脅し、その後、「動物のふんが詰まった紙袋を取り出し、中身をフスター氏の顔になすり付けた」という。

 同紙は、ゲッケ氏の行為は、「われわれの芸術に対する自由で批評的な見解を萎縮させようとする試み」だと批判している。

 警察の広報担当者はAFPに対し、フスター氏が被害届を出したと述べた。警察はゲッケ氏が使った「犬のふん」を回収できておらず、捜査は目撃者の証言に頼ることになるという。

 ハノーバー州立劇場は声明で、ゲッケ氏の「突発的な反応」は劇場の全ての行動基準に反していると指摘。同氏を「即時」停職処分とし、追って通知があるまで劇場への出入りも禁止されるとした。

 同劇場のローラ・ベルマン(Laura Berman)芸術監督は「すぐに(フスター氏に)連絡を取り、直接謝罪した」「この出来事でお客様を不快にさせたことに深くおわびする」と述べた。(c)AFP