【2月10日 AFP】スイス連邦文化局は8日、約2500年前のペルーの石彫を返還したと発表した。

 石彫は2016年、ドイツの美術商の依頼でトラックでスイスに持ち込まれた。頭部を模しており、重さ約200キロ。一枚岩でできている。

 文化局によると、文化財として適切に申告されてなかったため調べたところ、ペルーから違法に持ち出された「疑い」があることが分かり没収された。

 石彫は7年前に持ち込まれた独バイルアムライン(Weil am Rhein)の税関で、スイス文化局長からペルー大使に渡された。

 同局の発表によると、鑑定の結果、「現在のペルーに栄えたチャビン文化(紀元前1200~同550年ごろ)時代のもの」だと分かった。こうした先コロンブス期の文化財は、ペルーで最も危機に直面しているという。

 スイスとペルーは共に、1970年に国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)が採択した文化財の不法輸出入を禁止する条約を締結した。2016年には文化財の不法輸出入問題での協力を強化する二国間協定に署名している。(c)AFP