【2月7日 CNS】サンザシを洗い、種を抜き、串に刺し、ゆでたシロップに入れ、シロップを数回巻き取ってから取り出して冷ます...。中国東北部・吉林省(Jilin)長春市(Changchun)出身の金輝(Jin Hui)さんは、厳冬に中国伝統のサンザシの飴(あめ)がけ菓子「冰糖葫芦(Bingtanghulu)」の串を何束か作ることが習慣になっている。

 金さんは海外生活が長く、厳しい冬に甘酸っぱい冰糖葫芦を食べると、子供の頃に戻った気がすると話す。北マケドニア出身の金さんの夫は、冰糖葫芦を初めて味わって感動し、中国庶民の味の魅力を知ったという。

 冰糖葫芦は中国北部でよく食べられる冬のおやつで、宋の時代に始まり、清の時代には茶館や劇場、路地などで販売されるようになった。その中身もサンザシだけでなく、ブドウ、ジャガイモ、オオサンザシなど豊富になっていった。

「伝統的な冰糖葫芦の串は大きく、サンザシは芯を取るか潰してから、香りを高めるために白ゴマをまぶす」。長春の冰糖葫芦専門店マネージャーの梁雪峰(Liang Xuefeng)さんは、冰糖葫芦作りでは、素材選びがポイントであり、真っ赤で程よく甘酸っぱいサンザシを選ぶのがコツだという。

 シロップを煮詰めるのも職人の技だ。「鍋に白砂糖を入れ、その白砂糖がかぶるくらいの水を注ぎ、溶けるまでかき混ぜ、泡立つまで強火で煮る」。梁雪峰さんによると、手順は一見簡単そうに見えるが、実際には熟練の技が試されるという。

 近年、さまざまなタイプの冰糖葫芦の人気が高まっている。 果物やキュウリ、ネギ、ピーマン...。すべて砂糖でコーティングされるのだ。

 梁さんは「今はミニ串が人気。通常は1袋に2本入りで、マスクメロン、チョコレート、紫芋など、さまざまな味が楽しめる」と紹介する。伝統的なサンザシの冰糖葫芦だけでなく30を超える種類があり、特に若い顧客に人気だという。(c)CNS/JCM/AFPBB News