【1月30日 AFPBB News】「女子は文系。男子は理系」──。日本の女子中高生の間で、そんなステレオタイプを乗り越えようとする動きが広がっている。

 世界の女子およびジェンダーマイノリティーの中高生を対象にしたアプリ開発コンペティション「テクノベーション・ガールズ(Technovation Girls)」。日本からの応募者は今年、昨年の2倍近い約220人に達した。

 このイベントは2010年、米国で始まった。テクノロジーを活用して社会が抱える課題を解決するアプリ開発を競う。日本では特定非営利活動法人「Waffle(ワッフル)」が日本公式アンバサダーとして、毎年参加者を支援している。今年はパソコンやWi-Fi(ワイファイ)機器を無料で貸し出す。

 昨年は24都道府県から120人が参加。今年はこれまでで最大の34都道府県から219人がエントリーした。コンテストのプロジェクトマネジャー、古瀬麻衣子氏(38)は、「大きな飛躍」と歓迎する。

 8月の最終審査「World Summit」に向けて、参加者を対象としたプログラミング講座が年明けから始まった。日本からはこれまで、子ども食堂と農家、配達員の三者をつなぎ、規格外品や余剰野菜などの食材を活用するアプリや、生徒の意見を校則に反映させるアプリなどが出品されており、テーマは幅広い。

「自分たちの人生の中で選択肢はたくさんあって、自由に選んでいいということをより伝えられるようなプロジェクトにしたい」と、古瀬氏は言う。

■「人生の選択」

 岡山県の高校3年生、小野さん(18)は昨年、コンペに参加。チームで環境に優しいエシカル(倫理的な)コスメをテーマに、検索やレビュー機能を搭載したアプリを制作した。

 文系でプログラミング初心者だった小野さん。情報科学に興味はあったが、文系から進学できる自分の興味にあった理系の大学学部はないと諦めていた。それが今や、コンペ参加を弾みに、海外のコンピューターサイエンス学部への進学を目指している。

「誰かに左右されるのではなくて、『自分のしたいようにしなさい』というイベントだった。自分の選択、人生の選択の主導権は自分で握っていると思ったので、海外の大学で理系を選ぶという選択肢ができた」