【1月29日 AFP】北京冬季五輪にも出場したイランのアルペンスキー選手アテフェ・アフマディ(Atefeh Ahmadi)が、母国を離れてドイツで亡命申請を行ったと、在英放送局が28日に伝えた。

 昨年の北京五輪でイランからただ一人の女子選手として出場したアフマディは、在英ペルシャ語放送イラン・インターナショナル(Iran International)によるインタビューで、「私は自分の目標のためにイランを離れたが、心はイランとともにあるし、国と国民を愛している」と話し、「可能であれば国民の側につくし、そうすればみんなで自由を手にできる」と続けた。

 イランでは、服装規定違反の疑いで逮捕されたクルド系のマフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が道徳警察の拘束下で死亡した問題をきっかけに、昨年9月から全国で抗議運動が続いている。ノルウェーに拠点を置く人権団体「イラン・ヒューマン・ライツ(Iran Human Rights)」によれば、取り締まりの過程で数百人が死亡したとされ、また当局は数千人を逮捕したと発表している。

 アフマディの他にも、このところイランを離れる女性スポーツ選手は増えている。有名チェス選手のサラ・ハデムアルシャリア(Sara Khademalsharieh、25)は、女性の髪を隠すスカーフ「ヒジャブ」を着けずに昨年12月の国際大会に出場した後でスペインへ亡命。2020年には、イランの女子選手として初の五輪メダリストとなったテコンドーのキミア・アリザデ(Kimia Alizadeh)がオランダへ脱出した。(c)AFP