【1月22日 AFP】四大大会(グランドスラム)通算50勝を挙げ、車いすテニス史上最高の選手と称される国枝慎吾(Shingo Kunieda)が22日、「十分やりきった」と38歳での現役引退を発表した。

 子どもの頃に脊髄腫瘍のため車いす生活となった国枝は、1年遅れで開催された2021年の東京大会を含め、パラリンピックで四つの金メダルを獲得。世界ランキング1位の在位期間は合計で582週に上り、1位でのシーズンフィニッシュは、昨年を含めて10回を数えた。

 国枝はSNSに投稿した発表文で、「夢がかなった東京パラリンピック後から引退についてはずっと考えており、昨年念願のウィンブルドン(The Championships Wimbledon 2022)タイトルを獲得してからは、ツアーで戦うエネルギーが残りわずかであることを感じる日々でした」と明かし、「昨年10回目の年間王者になったことで、もう十分やりきったという感情が高まり、決断した次第です」と引退の理由を語った。

 発表を受けて、テニス界からはねぎらいのコメントが寄せられており、国際テニス連盟(ITF)はツイッター(Twitter)で「並外れたキャリアだ。私たちみんなに勇気を与えてくれてありがとう」とたたえた。

「最高の車いすテニス人生でした」と語った国枝。2月7日には会見を開き、引退について詳しく語ると明かした。(c)AFP