【1月13日 AFP】南米コロンビアの麻薬王、故パブロ・エスコバル(Pablo Escobar)の息子、セバスチャン・マロキン(Sebastian Marroquin)氏は、米映画界がギャングを美化したため、若者が犯罪者の生活に憧れるようになっていると批判した。

 マロキン氏はチリの首都サンティアゴで開かれたイベントで、「死後30年が過ぎた今、パブロ・エスコバルは生前よりもニュースになっている」と指摘。エスコバルのファンだという多くの若者が「映画を見た、テレビドラマを見た、あなたの父親のようになりたいと書いてくる」と述べた。

 また、エスコバルが窃盗犯から麻薬王へとのし上がった軌跡を描いた米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)のドラマ「パブロ・エスコバル 悪魔に守られた男(El Patron del Mal)」(2012年)やメディアでの取り上げ方を「麻薬文化」と呼び批判。

「父は何も楽しむことができなかったのだから、成功例として扱われるべきではない」「私は自由の身で、父よりもはるかに豊かだと感じている」と語った。

 麻薬密売を撲滅するにはどうすればよいかとの質問に対しては、禁止するから犯罪があおられるので合法化すればいいと述べた。

 マロキン氏は建築家で、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス在住。父親が嫌で、数十年前からエスコバル姓を名乗っていない。

 麻薬密売組織「メデジン・ カルテル(Medellin Cartel)」の創設者だったエスコバルは1993年、同組織の拠点で自らの故郷でもあるコロンビアのメデジンで逃走中、屋根の上で警察に銃殺された。(c)AFP