【1月10日 AFP】ブラジルの治安部隊は9日、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領(67)の支持者約3000人が首都ブラジリアの軍司令部前に構えていた拠点を制圧し、1500人を逮捕した。

 昨年行われた大統領選の結果に抗議するボルソナロ氏の支持者は前日、一部が暴徒化し、連邦議会や大統領府、最高裁に侵入した。今月初めに就任したルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領(77)は首都を混乱に陥れた今回の事態について、極右勢力による「テロ行為」だと非難した。

 ルラ氏は事態に対処するため、上下両院議長および最高裁長官と会談。「民主主義と憲法の擁護者である(ブラジル連邦)共和国の三権は、今回発生したテロ行為やクーデターまがいの犯罪的な破壊行為を拒否する」との共同声明を発表した。

 今回の事態は、ボルソナロ氏の盟友、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領の支持者による2021年の米議会襲撃を想起させるものとなった。

 一方、ボルソナロ氏は米フロリダ州オーランド(Orlando)の病院に入院した。9日、夫人が明らかにした。2018年の大統領選期間中に腹部を刺されて以来の腹部の不快感が原因だという。

 ボルソナロ氏は、後任の大統領就任式に出席する伝統に従わず、任期最終日を残し外遊していた。(c)AFP/Ramon SAHMKOW