【1月9日 AFP】ブラジルの首都ブラジリアで8日、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の支持者が連邦議会や大統領府、最高裁に大挙して侵入し、暴徒化した。治安部隊は襲撃を阻止しようと大規模な鎮圧作戦を展開した。

 AFP記者によれば、ボルソナロ氏の盟友ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領の支持者による米連邦議会襲撃を思わせる混乱は数時間に及んだ。治安部隊は同日夕、議会の建物から前大統領支持者を排除。プラナルト宮殿(Planalto Palace、大統領府)や最高裁では機動隊を動員、放水銃や催涙弾で鎮圧を図った。

 地元メディアによれば、これまでに170人が逮捕された。上院の警備当局は、議会内で30人を逮捕したとしている。

 襲撃時、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は南東部の洪水被災地を視察中だった。大統領は「狂信的なファシストによって招かれた前代未聞の事態」と非難。ブラジリアの治安確保に向け、連邦政府に特別な権限を付与する大統領令に署名した。

 昨年行われた大統領選の決選投票でルラ氏に僅差で敗れたボルソナロ氏は、敗北は裁判所と選挙管理委員会の陰謀のせいだと主張している。(c)AFP